検察は政治との距離を置くべきと考える稲田伸夫氏

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・検事総長を務めてきた稲田伸夫氏が7月17日付けで検事総長を退任しました。
・一連の検察内部の騒動に対し、政治との一定の距離を置くべきであると指摘しました。
・退任の記者会見で初めて、黒川前検事長に関する賭けマージャン問題について言及し、申し訳ないと陳謝しています。

 

検事総長を17日付で退任の稲田伸夫氏(63)は同日、記者会見を開き、黒川弘務・元東京高検検事長の勤務延長や廃案となった検察庁法改正案などについて「検察は厳正公平、不偏不党を旨として、職務をおこなうことが基本。政治とは一定の距離感を持つことが必要だ」と話した。

黒川元検事長が賭けマージャン問題で辞職したことについては「大変遺憾なことで、申し訳ない」と陳謝した。稲田氏が記者会見で一連の問題について言及したのは初めて。

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO61638840X10C20A7CR8000/

 

黒川前検事長に端を発した賭けマージャン問題、そして、検察庁法改正案問題について、稲田伸夫氏は、一定の距離感を持つべきだと、政治との距離について語るとともに、黒川前検事長が賭けマージャン騒動で辞職に追い込まれたことに関して、申し訳ないと陳謝していました。

 

 

稲田伸夫氏は、1956年8月14日生まれで、今年64歳を迎えます。東京大学法学部を卒業後、1981年に検事となり、ゼネコン事件の捜査を担当、その後順調に出世を重ね、出世ルートである検事長などを経験し、2018年に検事総長に就任します。2019年には証拠採用を巡って、裁判所に苦言を呈するなど、歯に衣着せぬ発言も注目を集めました。

検察庁法改正案を巡っては、一時期改正案が成立する情勢だったものが、Twitterで巻き起こったデモにより撤回に追い込まれ、その後、黒川前検事長の賭けマージャン報道が出て、辞職につながりました。稲田伸夫氏に対しても圧力がかかったとされる中で、その要求を突っぱねていたという報道もあります。これまでに印象に残ってた事件は、意外にも普通の殺人事件だったとのこと。ただ、最後の最後で巻き起こった検察を巡る騒動がそれを上回ったのは確かです。