コロナ禍で苦境に立たされた23歳社長
・23歳にして社長になった人物が苦境に立たされました。
・コロナ禍で主力にしていた飲食店からの売上が激減します。
・収入の柱を複数立てることにつながり、ピンチをチャンスに変えました。
「史上最年少上場を目指しています」。
2019年夏、大人びた雰囲気とあどけない笑顔とのギャップを併せ持つ22歳(当時)の経営者は臆することなくこう語った。
面接なしで働きたい人と働いてほしい店舗側をマッチングする「Timee」を提供するタイミー(東京・豊島)の小川嶺社長(23)。たった1年前、飲食業界はインバウンド需要に沸き、恒常的な人手不足に陥っていた。
面接をしないで労働者と雇用側がマッチングでき、すぐに働けるサービスTimee。このTimeeを提供する会社タイミーの社長小川嶺さんは23歳と若く、史上最年少上場を目指すことを豪語していた人物です。
決してその自信は過信、慢心の類ではなく、飲食店の人手不足の状況やインバウンドも手伝い、急成長を続けていました。ところが、2020年に新型コロナウイルスが襲い掛かったことで、飲食店からの利用で売り上げのほとんどを占めていたタイミーにとってあまりにも辛い時期を迎えます。小川嶺さんは以前のような状況にはならず、コロナ禍で全てが変わってしまったことを悟り、飲食店以外の売り上げを伸ばすことを決断します。
結果的に飲食店で大部分を占めていた売り上げはある程度のレベルにまで戻り、むしろコロナ禍をきっかけに組織が強化されていきます。一時は危ぶまれた最年少上場への道は閉ざされておらず、コロナ禍で経営の気力が落ちていく傾向にある中で健闘を見せます。社長の平均年齢はほぼ60歳の中、そこから30歳以上も若い小川嶺さんがどこまで化けていくのか、コロナ禍がむしろ強くし、そして大きく成長を促した形になりました。