あえば直道が指摘する田中角栄氏とトランプ大統領の突破力

ニュース政治海外社長

 

・トランプ大統領と田中角栄氏を支えてきたのは民衆からの支持であり、それなしではここまでの快進撃はありませんでした。
・トランプ大統領が過激な発言をするのは、あくまでも民衆へのサービス精神であり、それが支持の強さにつながっています。
・最近はコロナの影響で、これまで支持を受けてきた層が離れつつあり、コロナにどのように対峙していくかが大きなカギを握ります。

 

アメリカ大統領選挙に向け、全米で注目を一身に集めるドナルド・トランプ氏。型破りな言動が反発を買う一方で熱狂的な人気を集め、その様は単なる「泡沫候補」とはいえないほどのフィーバーとなった。その人気の背景を分析すると、日本の歴代総理で随一の人気を誇る田中角栄との共通点浮かび上がってきた。

「選挙の神様」といわれた角栄の真髄は、「戸別訪問3万軒、 説法5万回」というドブ板選挙にあった。有権者と直接触れ合い、常に相手の気持ちを考える。

 だからサービス精神を忘れない。ロッキード事件発覚後に、その日していたネクタイについて演説でこんな冗談を口にしている。

https://www.news-postseven.com/archives/20160414_402296.html?DETAIL

 

田中角栄氏とトランプ大統領、この2人の共通点は、民衆へのサービス精神であると語る人がいます。ロッキード事件があり、世間の注目が田中角栄氏に向かった際、演説では、ネクタイを手にして、ロッキードの名前を出して、ロッキードからもらっていないと発言し、演説を盛り上げます。一方のトランプ大統領は、ネット上、マスコミで盛り上がっていたトランプ大統領のカツラ疑惑を引き合いに出し、これは私の毛であると、支持者に自分の髪の毛を引っ張るように言うなど、聴衆の大爆笑を誘います。このように、2人の政治家は、民衆へのサービス精神を忘れず、ユーモアな発言を行うことで親近感を持たせることに尽力して来ました。

 

 

一方で、2012年からアメリカ大統領選挙を現地で見つめてきて、トランプ大統領に関する著書「トランプ革命」の著者でもあるあえば直道さんは、こうした民衆へのサービス精神が発言にも出ていることを指摘します。ここまでのトランプ大統領は一貫して反移民政策を掲げ、メキシコとの間に壁を作るなど、不法移民に対する反発をし続けています。これがウケているのが低所得者層で、不法移民に仕事が奪われることにかなりの反発を覚えていることから、そこへのサービス精神が一連の過激な発言につながっていることを指摘します。

田中角栄氏に関しても、選挙に出馬した際、自分に与えられたエリアが人の少ないところしかなかったために、民衆の支持なしには当選は難しいと考え、庶民が何を考えているのかを必死に声を聴き、それを演説などで活かしたことが語られています。2人ともエスタブリッシュメント、いわゆるエリート層からはあまり支持をされておらず、民衆からの支持がなくなれば一気に力を落とすことは明らか。だからこそ、民衆にウケる言葉、フレーズ、政策を掲げてきたというわけです。

 

 

またトランプ大統領と田中角栄氏の共通点には、タブーへの挑戦がありました。トランプ大統領のタブーへの挑戦は今更説明する必要もないレベルですが、あまりにも過激で、通常は容認できない差別発言などをあえて口にすることで、不安をうまく煽るだけでなく、これまでほとんどの大統領、政治家が避けてきた道を突き進むことで、今までの政治家とは違うというイメージ作りにつながります。反移民政策もその1つであるとあえば直道さんは語ります。

田中角栄氏もアメリカ追従のこれまでの流れと反するようなことを行い、世間を驚かせます。しかし、やったこと自体は日本の利益を考えたことであり、何も間違ったことではありません。このようにあえて誰もやらなかったことを踏み込む、それが2人の共通点だったというわけです。

 

 

あえば直道さんは、毎週のようにアメリカや中国に関するレポートを動画で出しています。そこに出てくる情報は、日本では取り扱われないようなものが多く、それを知るのと知らないのとで、トランプ大統領の見方が大きく変わります。トランプ大統領は自由奔放で、何も考えず、混乱しか生まない大統領であると日本人の多くは考えていますが、実際は経済のことを考え、アメリカ経済を好景気に導き、低所得者層からの支持を集め続けました。ところが、現在は新型コロナウイルスの影響で厳しく、またタブーに踏み込み続けたトランプ大統領が、そのツケをここに来て払わされてきている現状も出てきています。それでもあえば直道さんは、トランプ大統領再選を信じ、今後の日本とアメリカの関係の在り方を語ります。新型コロナウイルスに対峙する姿勢が選挙までにどのように変化するのか、トランプ大統領に注目ですし、田中角栄氏ならどうしていたのか気になります。